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女性IT人材、半数以上が「管理職を希望せず」 理由は?

IT職の女性のうち、半数以上が管理職になることを望んでいない──そんな結果が、パーソルホールディングスが実施した「女性IT人材の就業に関する調査」で分かった。管理職を「あまり目指したいと思わない」が19.9%、「目指したいと思わない」が36.7%で合わせて55.6%だった。一方、「管理職を目指したい」と回答した人は20.2%、「既に管理職である」人は6.9%だった。
 IT職の女性が管理職を目指したい、または目指した理由は「給料が上がる」(48.1%)が最も多く、次に「キャリアを進展させられる」(33.0%)が挙がった。管理職を目指したいと思わない理由については、いずれの職種・性別においても「ストレスが増えそう」「責任が増える」「業務量が増える」「出世には興味がない」といった意見が上位を占めた。  
業務への満足度について、IT職の女性は「総合的に現在の仕事に満足している」と回答した割合が43.4%で、総合職の女性(36.7%)より高く、IT職の男性(40.8%)と、ほぼ同じ割合だった。特に、IT職の女性は「仕事は自分の適性に合っている」や「仕事の中でスキルや能力を高められる環境がある」(同46.1%)といった点に満足度が高かった。(ITmedia ビジネスオンライン 3月2日)

 上昇志向は人間の本能のようなものだが、会社員にあって、それが出世に向かわない風潮が顕著になってきた。管理職に出世しても割に合わないと考える人が増えているのだが、IT人材は専門職志向が強いだけに、なおさら出世の志向性が希薄になっているのだろう。
女性管理職比率の政府目標は2030年度に30%。厚生労働省は従業員101人以上の企業が対象に、2026年4月から女性管理職比率の公表義務化する方針を固め、301人以上の企業に義務付けている男女の賃金格差公表の対象を101人以上に拡大する。
現状はどうだろうか。帝国データバンクが2024年7月に実施した調査では、女性管理職比率30%をクリヤしている企業の割合は、13年に調査を開始して以降、初めて10%を超えた。規模別にみると、大企業が平均7.6%で最も低い。中小企業は11.5%、小規模企業は 14.4%と規模が小さい企業ほど女性管理職割合は高かった。
女性社員の母数が管理職比率に反映されているが、昔から中小企業や小規模企業では、総務部門や経理部門を統括する女性管理職が活躍している。ベンチャー企業に区分される企業では女性役員も珍しくなく、女性活躍を意識しなくとも、管理職に就く女性が多い。
問題は大企業だが、政府目標の達成に至るかどうかはともかく、専門職志向が強まるなかでも管理職をめざす女性も増えてゆくだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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