2025/03/10
「未来の仲間のリストアップに力を貸してほしい」
1月中旬、クラウド会計ソフトのマネーフォワードで採用を担当する川口恵司(33)は、各事業部から集まった約10人の同僚に呼びかけた。同社は急成長に伴い年数百人規模の中途採用を続ける。ウェブデザイナーなどの専門職獲得の切り札と位置づけるのが、現役社員の紹介を通じた採用だ。
採用予定部門などの社員に、前職の知人や大学の友人から候補を挙げてもらい、有望な人材には採用サイトのURLを刷り込んだカードを渡して応募を促す。本採用に至れば紹介者に50万円の報奨金も出す。近年の中途採用者の1~9割が社員の紹介だ。「人材確保は全員参加。社員の人脈を総動員する」と川口は意気込む。
「新卒一括」が標準だった日本企業。人手不足が深刻化し雇用の流動化が進むなか、採用手法は一気に多様化した。
「事業に理解のある『卒業生』を呼び戻したい」。リクルートの金田知樹(29)の元には、年度末が近づいても採用計画を充足できない企業からの相談が途切れない。(日本経済新聞 2月28日)
紹介者への報奨金が50万円とはずいぶんな大盤振る舞いだ。リクルートエージェントによると、報奨金の相場は1~10万円程度が多いという。社員による紹介採用に報奨金が支給されるようになったのは、いつ頃かは定かでないが、少なくとも30年前には支給されていた。
当時、紹介採用はいまほど普及していなかったが、1人の採用につき5万円を支給する会社があった。4~5人の採用を実現させて20~25万円を手にする社員もいれば、友人・知人を紹介して報酬を手にすることに抵抗を感じて、関与しなかった社員も多かったという。
友人・知人から紹介された第三者を採用して報酬を手にするのなら抵抗はないが、対象者が直接の知り合いとなれば、むしろ無報酬のほうがよい。求人側と求職側の双方に満足してもらえれば、それで十分――こう考える人が30年前には一般的だったが、いまは受け止め方が変化したようだ。
ただ、報奨金を支給しなくとも、人手が必要と会社に採用の協力を要請されれば、リクルート活動に入るのではないだろうか。
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