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みずほ銀窓口に学生アルバイト採用 人材確保へ まず内定者

みずほフィナンシャルグループ(FG)は、銀行の支店で窓口業務などを担う学生アルバイトの採用を始めた。まず内定者で試行し、早ければ2026年度から内定者以外の学生にも拡大する。大学生に業務を経験してもらうことで、将来の人材確保につなげる。
学生アルバイトを雇うのは大手行で初めて。銀行業務は専門性が求められ、重要な個人情報も扱うため、フルタイム勤務の社員以外では子育てを終えた元銀行員などのパート社員が一般的だ。
学生アルバイト採用の背景には優秀な人材の確保が難しくなっていることがある。本格導入には学生に業務を通じて就職先の候補として考えてもらう。社員の動き方が育児休業や短時間勤務などで多様化し、支店運営で学生アルバイトの活用も必要だと判断した。
4月入社予定の内定者を対象に1月から試行を始めた。池袋支店などみずほ銀行の首都圏9支店で13人を採用した。入社までの3カ月間に原則3日、1日4~6時間のシフトに入る。時給は1200円程度とした。
(日本経済新聞 2月9日)

 役所の窓口業務も派遣スタッフやパートタイマーが担当するケースが多いが、面倒な手続きの知識や説明能力には個人差が大きい。説明に窮すると後方の席にいる職員に確認し、ときには埒が明かないと判断した職員が、窓口に足を運んで説明を代行するシーンも散見される。
 住民にとっては、いまひとつスッキリしない対応だ。銀行の窓口に学生アルバイトを起用することで、同様の問題は発生しないのだろうか。
 当然、銀行は万全を期すはずだ。厳正にアルバイトを選抜したうえに、事前に質疑応答のロールプレイングをしっかりと実施して、配置後にはサポート役の行員が隣りに就くのだろうから、その程度の不安は杞憂に過ぎないのかもしれない。
 採用数を見る限り当面は試行段階だが、成功事例が生まれれば、学生アルバイトの窓口起用は短期間で全国に拡大してゆく。応募する学生は銀行への就職をめざしているのだろうから、採用にも直結する。インターンシップと比べて、採用効果はどちらが高くなるのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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