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石破総理が中小企業の賃上げ・価格転嫁支援などを表明

石破総理は16日、中小企業の経営者らと車座で会談し、下請法の改正などにより中小企業の賃上げや価格転嫁を支援していく考えを示しました。
石破総理 「日本経済全体の活力向上、地方創生を優先課題としています。『雇用は守るから、賃金は上がらなくても勘弁してね』ということはもうやめましょう」
中小企業の経営者らと会談した石破総理は、中小企業が無理なく賃上げできるよう利益を上げるためには、▼適切な価格転嫁のほか、▼生産性の向上、▼現場で働く人のスキルの高度化が重要との考えを示しました。 そ
の上で、石破総理は「価格転嫁を阻害する商習慣を一掃する」と訴え、対応を赤沢経済再生担当大臣らに指示しました。
民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」によりますと、2024年の倒産件数は、前の年から15%増え、1万6件と3年連続で増加していて、2013年以来、11年ぶりに1万件を超えています。
(TBSNEWS 1月16日)

 いよいよ春闘がはじまった。1月22日、連合と経団連のトップ会談が行なわれ、連合の芳野友子会長は「ここ数年にわたり動き始めた賃上げの流れを滞らせることは絶対に避けなければならない」と決意を表明し、同様に経団連の十倉雅和会長は「ここ2年間で醸成されてきた賃上げのモメンタム(勢い)を定着する年にしないといけない」と述べた。
経団連は「経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」に賃上げを「経団連と企業の社会的責務」と記載した。中小企業にとっては「価格転嫁は発注元企業の社会的責務」という記載を望みたいだろうが、発注元はつねにコストダウンを追求する立場である。
「利は元にあり」という教えを踏まえて、価格転嫁に積極的に取り組まない限り、中小企業の満足な賃上げはかなわない。だが発注元と発注先という力関係を背景に、価格転嫁の要求はハードルが高い。運送業ではドライバーの人件費を考慮して元請け会社が委託料の引き上げ要求の協議に応ずる流れにあるというが、この流れが広がればよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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