2025/01/22
バイオ燃料事業などを手掛けるユーグレナは8日、希望退職者50人程度を募集すると発表した。単体の正社員(2023年末で242人)を対象に2月に募集し、退職日は3月末。特別退職金を支給するほか、再就職を支援する。約2億5000万円を見込む費用は特別損失として計上する予定。
ユーグレナは原点回帰などを掲げた中期経営方針を一段と加速し、黒字体質を定着させるには組織や事業構造の抜本改革が必要と判断した。同社の営業損益は赤字が続いていたが、2024年1-9月期連結決算では営業損益が1億6000万円の黒字、純損益は10億4800万円の赤字だった。24年通期の営業・純損益の予想は開示していない。
ミドリムシの培養技術などで知られるユーグレナは2005年に設立。12年に東証マザーズに上場、14年には東証一部に市場変更。現在はプライム市場に上場している。上場以後では希望退職を募集するのは今回が初めてになるという。
(ロイター 1月8日)
かつては業績回復の最終手段だった早期・希望退職の実施をためらわない企業が増えている。
東京商工リサーチに調査によると、2024年に早期・希望退職募集が判明した上場企業は、前年の41社から57社に増えた。比率にして39.0%増である。募集人員は前年の3161人から1万9人へと3倍に増え、21年の1万5,892人以来、3年ぶりに1万人を超えた。
同社は「相次ぐ大手メーカーの大型募集で人数が膨れ上がり、黒字企業の構造改革も目立った。経営環境が不透明さを増し、将来を見据えた構造改革に着手する企業が増えており、2025年も上場企業の早期・希望退職の募集が加速する可能性が高い」と見通している。
ユーグレナが24年2月に発表した中期経営方針のポイントは「原点回帰」「バイオマスの 5F&両利きの経営」「黒字体質への転換」。その一環として、販管費の見直しや新規採用の抑制などを実施してきた。24 年第3四 半期(累計)で連結営業黒字を達成し、6 期連続の連結営業赤字の脱却をめざしているという。
希望退職募集の理由は「人員構成の適正化と人員効率の向上」と開示しているが、言い換えれば若返りと人件費削減である。
同社の社員は公開情報によると、平均年齢は41.9歳、平均年収は750万円。転職市場では前職のブランドが有力な武器になるが、希望退職に踏み切る社員のなかには「元ユーグレナ」というブランドによって好条件の転職を実現させる人も少なくないのではないだろうか。
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