2024/07/03
富士通は21日、2026年度入社の新卒採用から、一律の初任給を廃止し、仕事の内容や役割に応じて処遇する「ジョブ型」雇用を本格導入すると発表した。高度な専門性を持つ学生らには入社時から相応の給料を支払い、優秀な人材を確保する狙いがある。初任給で現在20万円台後半の基本給が、40万円を超える可能性もあるとしている。
富士通は既にジョブ型雇用を幹部や一般社員、一部の採用でも導入しているが、対象を新卒全体に広げる。同社によると、国内の大手企業で新卒全員に適用する事例は珍しいという。 ジョブ型での採用の場合、社員が担う役割や責任範囲などを明確にし、仕事や責任の重さに応じて給料を優遇する。
(共同通信 6月21日)
ジョブ型雇用の導入が加速している。「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太方針)」で三位一体の労働市場改革が打ち出され、①リ・スキリングによる能力向上支援②個々の企業の実態に応じた職務給(ジョブ型)の導入③成長分野への労働移動の円滑化――この3つが示された。
ジョブに要求されるスキルと評価基準が明確でないと、適正な評価が担保されない。それだけでなく、ITエンジニアなど専門職で外資系企業との賃金格差が解消に向かわず、人材流出に歯止めがかからなくなってしまう。もはやジョブ型雇用の導入は待ったなしの状況である。
「骨太方針2024」も「個々の企業の実態に応じたジョブ型人事(職務給)の導入を促進する」と方針を明記した。すでに導入している多様な企業の事例を掲載した「ジョブ型人事指針」を今夏に公表し、各企業の実情に応じた導入方法を検討できるようにするという。
モデルになるのは病院だ。諸君が専門職で構成される病院は、昔からジョブ型雇用で運営されている。
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