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政労使会議、15日開催で調整 中小企業賃上げが焦点

松野博一官房長官は8日午前の記者会見で、政府と経済界、労働団体が賃上げに向けて意見交換する「政労使会議」を15日に開催する方向で調整していると明らかにした。「賃上げを進めるにあたり経済界、労働界とコミュニケーションを取りながら進めていくことは大切だ」と述べた。
その上で「目下の物価高に対する最大の処方箋は、物価上昇に負けない継続的な賃上げを実現することだと考えている」と述べ、価格転嫁対策や中小企業支援などに取り組み、賃上げを後押しする考えを示した。令和5年春闘について「最大限の賃上げを期待したい」とも強調した。
政労使会議の開催は平成27年以来で、約8年ぶりとなる。
(産経新聞 3月8日)

 昨年は過半数の中小企業は賃上げの予定がないという調査結果が話題になった。ところが年が明けると物価高がいちだんと進んだうえに、大手企業の賃上げニュースがつづき、中小企業も賃上げに迫られるムードになってきた。
人事戦略研究所(京都市下京区)の調査によると、「例年より高い賃上げを実施済み又は実施を決めている」「例年より高い賃上げに向けて検討中である」が60%。社員数50名未満の企業でも52%が例年よりも高い賃上げを検討している。
賃上げの理由は多い順に①物価高による社員の生活不安解消のため②世間的な賃上げ動向に合わせるため③採用難により募集賃金や初任給引上げの必要性があるため。
同研究所は「調査実施前は、企業規模が小さいほど例年よりも高い賃上げは厳しいのではないか、と予測していたものの、結果を見ると企業規模による差異はそれほど大きくないことがわかります」とコメントする。
一方で「賃金を上げたいが上げられない」という企業が3割程度を占めた。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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