Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

2023年夏の賞与 前年比2.59%増 都内1000組合

東京都は例年、都内の1000労働組合を対象に、夏季一時金要求・妥結状況を調査して、中間集計結果を発表した。
 すでに妥結した労働組合のうち、前年妥結額と比較可能な206組合の平均妥結額は81万8331円。平均賃金(31万8077円・39.9歳)の2.57ヵ月分に相当する。同一労組の前年妥結額(79万7676円)との比較では、2万0655円増加(2.59%増)となった。
産業別・業種別妥結金額の分析対象(5組合以上)となった17業種のうち、対前年比が最も高かったのは、「宿泊業、飲食サービス業」(29.48%増)、以下「学術研究、専門・技術サービス業」(14.37%増)、「私鉄・バス」(8.00%増)となっている。
一方、対前年比が最も低かったのは、「パルプ、紙、紙製品」(4.55%減)。続いて「道路貨物運送」(2.94%減)、「食料品、たばこ」(1.97%減)とだった。
要求を提出した労働組合のうち、前年要求額と比較可能な266組合の平均要求額は84万6088円で、同一労組の前年要求額との比較では、1万7266円増加(2.08%増)となった。(東京都発表を要約 6月12日)

三菱UFJ リサーチ& コンサルティングの予測によると、国家公務員(管理職および非常勤を除く一般行政職)2023 年夏のボーナスの平均支給額 は63 万7400 円。前年比 9.0%増と大幅に増加という。「民間のボーナ スの回復動向も織り込まれつつあり、 今後も公務員のボーナスは民間に追随し、増加 していくことが期待される」と同社は付言している。東京都調査による民間企業の平均支給額を下回っているが、キャリア官僚である総合職を加えれば支給額は一段と上昇する。
キャリア官僚の年収は、民間企業の平均を上回っている。大まかに見ると課長補佐が約
750万円、課長が約1200万円、局長が約1800万円、事務次官が約2400万円という水準。一方、民間企業の平均年収は「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、平均すると課長が858万円、部長が1000万円である。
 この比較をせずに、たんに「給料が安い」という認識が官僚の間に浸透しているのは大手企業や外資系企業と比較しているからだ。気持ちはわかるが、比較の仕方は妥当だろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。