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役員報酬「決め方」開示 金融庁、上場企業に義務化

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金融庁は上場企業に役員報酬の決め方を開示するよう義務づける。業績によって変わる業績連動報酬が総額に占める割合や、どの指標に基づいて算出するかなどのルールを公開してもらう。日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者は報酬の算出方法が不透明であることも批判された。報酬の透明性が高まれば、ガバナンス(企業統治)が一段と強化される。   
金融庁が金融商品取引法に関連する内閣府令を改正する。2019年3月期決算の企業から適用される。
一般の役員報酬は固定分の基本報酬と、業績に応じて変動する賞与、あらかじめ決めた価格で自社の株式を購入できるストックオプション(株式購入権)などで構成される。金融庁によると業績に連動する報酬制度は約1100社が導入しており、上場企業の3分の1にのぼる。
(日本経済新聞 12月6日)

日本企業の役員報酬がグローバルスタンダードに比べると低いという見解には、グローバルスタンダードの報酬額が妥当な水準なのかという視点が欠けている。そもそもグローバルスタンダードという概念が不透明で、その時々に都合よく援用されてきた。
グローバルスタンダードに正当性はあるのか。カルロス・ゴーン容疑者が自分の報酬額を正当化するためにグローバルスタンダードという言葉を用いたように、この言葉は、根拠なき正当化によって相手方に思考停止を強いる。
それだけに役員報酬の算出方法の開示は有効な施策だ。報酬額が高いか安いかではなく、問われるべきは算出方法が妥当かどうかである。
算出方法には、人員削減を実施した場合はマイナス評価を加えるべきだろう。社員とその家族を路頭に迷わせて捻りだした利益が、役員報酬に反映さればどうなるか。役員報酬をアップさせるために、ためらわずに人員削減を行う経営者がつづくようになる。社員は役員報酬のコスト要因になってしまう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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