2016/07/06
大戸屋ホールディングスが23日開いた株式総会では、社長ら3人を再任し、社外取締役3人を含む8人を新任する取締役選任議案が承認された。この議案を巡っては筆頭株主の創業家が反対の意向を表明していたが、総会では創業家から質問や動議の提出はなかった。だが依然、18%超の株式を所有しており、新たな株主提案を突きつける可能性もある。
セコムでも5月、創業者である飯田亮氏の「意向が動いた」(同社関係者)とされるトップ人事があった。前田修司会長(当時)と伊藤博社長(同)が同時に解職された。(日本経済新聞 6月29日)
著名な企業で創業家に関わる問題がつづくにつれて、創業家のあり方は企業統治のテーマとして議論されてゆくだろう。創業家はたんなる大株主ではない。社員にとっては精神的な支柱でもある。
「創業家は君臨すれども統治せず」という関係を会社側と持てれば平穏なのだが、経営方針が創業家の意向に反すると、創業家も黙ってはいられない。安泰ではいられないと危機感が湧き出てくるのだ。おそらく多くの創業家にとって、優先順位の第一は一家の安泰であり、会社の発展は二番目ではないのか。
それは創業家の本能のようなもので、昨今の企業統治論で創業家に透明性を求めるのは限度がある。その意味で、非上場のほうがスッキリする。
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