2015/11/18
学生アルバイトに関して1000人を対象に実施した厚生労働省の調査で、6割は賃金などの労働条件でトラブルになった経験を持っていることが分かった。残業代不払いや勤務シフト強制など「ブラックバイト」の横行が指摘される中、厚労省の初調査で一端が浮かんだ。厚労省は学生に対する労働法セミナーや出張相談など対策に乗り出す。
調査は、18~25歳の大学生、大学院生、短大生、専門学校生で週1日以上のアルバイトを3カ月以上続けた人を対象にインターネットを通じて実施し、1000人から回答を得た。職種はコンビニエンスストア(15.5%)や学習塾(14.5%)が多かった。
労働条件について、60.5%が何らかのトラブルを経験していた。具体的(複数回答)には、労働基準法違反の疑いが強い「準備や片付けの時間の賃金が支払われない」(13.6%)、「労働時間が1日6時間を超えても休憩がない」(8.8%)などが挙がった。
(毎日新聞 11月9日)
ブラックバイト問題は、雇用主が労務問題に無知な学生の足元を見透かし、さらに多数の事案をかかえ、学生アルバイトに関わっていられない労働基準監督署をも手玉にとった確信的な行為だ。
厚生労働省が事実確認のうえ、企業名を公表することが、まずは即効薬である。アルバイトが集まらなければ人手不足に拍車がかかり、事業に困難をきたすから、雇用主の腹の内がどうであれ合法的に改善せざるをまい。
しかし一方で、学生アルバイトの雇用をめぐっては、アルバイトのドタキャンに振り回される雇用主が多いのも事実である。そうした雇用主が腹いせで不法行為に走っているとも思えないが、弱者を困惑させる輩は、どこか幼稚なメンタリティーを宿している。
ブラックバイト問題が解決しても、そのメンタリティーが新たな問題を引き起こさないとも限らない。
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