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雇用創出、最大1万人、京急のカジノ構想、地元経済界も期待

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京浜急行電鉄は15日、カジノやホテルなどで構成する統合型リゾート(IR)を整備する構想を正式発表した。横浜市の山下埠頭を最有力の候補地と考えているもようで、実現すれば数千~1万人単位の雇用が生まれそうだという。カジノには慎重論もあるが、経済波及効果を期待した地元の動きが加速しそうだ。
今秋の臨時国会での「統合型リゾート推進法案(カジノ法案)」の成立を見据えて、16日付でIR施設の運営などを検討する新規事業プロジェクトチームを設置する。不動産や飲食・ホテルなど国内企業に働きかけ、企業連合を立ち上げる。海外のカジノの事例などの情報収集する。
横浜以外では東京・台場地区を候補地としているが、2020年の東京五輪までの開業を目指す場合、横浜の山下公園の隣の山下埠頭の方が整備がしやすいという。企業連合が5000億~6000億円を投資する。
(日本経済新聞8月16日)

政府が「統合型リゾート推進法案(カジノ法案)」の成立を目指すのは、訪日外国人の増加を期待してのことだ。マカオは中国からカジノ目当ての観光客を呼び込んで盛況を極めている。もっとも、最近では、本人は中国にいて代理人に賭けをさせる人もいて、必ずしも観光客の増加につながらない場合もある。それでも、掛け金が増えれば、カジノの収益に貢献する。マカオのカジノの売上は年間500億ドルを超えるという。

横浜がラスベガスやマカオのようになることを横浜市民が望むかどうかは定かではない。しかし、地元経済界が期待するのは当然だ。京急は、宿泊施設や商業施設など数千~1万人規模の新規雇用の創出を期待している。横浜市や横浜商工会議所も統合型リゾート誘致に向けて動き出した。

カジノができれば、おそらく雇用は増えるだろう。問題は、期待どおりに収益が上がるかということとだ。カジノや観光業の個別企業の収益だけでなく、地域社会全体の収支を考慮しなければならない。治安が悪化すれば社会的コストは上がる。治安が悪化しなくても警察官の増員や検査の強化など悪化させないためのコストは上がる。社会全体の利害損得をよく考えることだ。

谷萩 祐之

著者情報:
谷萩 祐之

1958年生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。富士通株式会社でソフトウェア事業、マルチメディア事業、グローバル事業、コンサルティング事業を担当した後、現在、谷萩ビジネスコンサルティング代表。経営コンサルティングの傍ら、雑誌等で執筆活動を続ける。著書:「Webが変わる プッシュ型インターネット技術入門 」

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