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来春の大卒求人倍率が1・61倍に増加

shukatu

リクルートホールディングス(東京都千代田区)は24日、来春の大卒求人倍率が1.61倍となり、前年の1.28倍から0.33ポイントと大きく上昇したと発表した。民間企業の求人総数は前年の54万4千人から、68万3千人と約14万人、率にして26%増加するなど、景気回復で企業が積極採用に路線を変更した姿が浮き彫りになった。
 来年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率を調査した。業種別でみれば、建設業の求人数の増減率が38%と最も大きく、製造業が約25%、流通業が24%と続く。また、規模別では、従業員5千人以上では5%となっているが、300人未満では45%増となるなど、中小企業で新卒採用が拡大していることがわかる。(Sankei Biz 4月24日)

 都内の私立大学教授に内定の獲得状況を尋ねたら、こんな意見を聞かせてくれた。
「内定をもらう学生はあちこちの企業からもらうし、これだけ採用数が増えても、もらえない学生は一向にもらえません。ところが、1社から内定が出ると芋ずる式に内定が出るように局面が変わるのです。実力というよりも、縁の巡り合わせのような気がします」

 巡り合わせの結果、第一志望だろうが、滑り止めだろうが、結局は縁のある企業に採用が決まるのだ。それだけに、新卒入社の約30%が入社3年以内に退職するという状況はいかがなものか。
「石の上にも3年」という鉄則を理解していても、若者たちはじつにあっさりと退職してしまうし、企業も雇用の流動化を理由に退職防止の手立てを必死に講じない。入社3年間は試用期間に等しくなったのである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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