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カネボウ化粧品で初の女性社長に内山智子氏

花王グループは、2025年1月1日付で内山智子・コンシューマープロダクツ事業統括部門ヘルス&ビューティケア事業部門ヘアケア第1事業部長兼コンシューマープロダクツ事業統括部門ヘルス&ビューティケア事業部門ヘアケア第1事業部プロジェクトリーダーがカネボウ化粧品の新社長に就く人事を発表した。同社の社長に女性が就くのは初めて。現任の前澤洋介社長は退く。
 内山新社長は1977年11月3日生まれの47歳。2002年4月に花王に入社した。19年1月に研究開発部門ヘアケア研究所第2研究室長、21年6月にコンシューマープロダクツ事業統括部門ライフケア事業部門事業基盤開発部開発マネジャー、22年1月にコンシューマープロダクツ事業統括部門ライフケア事業部門事業基盤開発部シニアマネジャーに就任。23年1月にコンシューマープロダクツ事業統括部門ヘルス&ビューティケア事業部門ヘアケア第1事業部長に就任し、この度、カネボウ化粧品社長兼グローバルコンシューマーケア部門化粧品事業部門長兼グローバルコンシューマーケア部門 欧米リージョン統括(化粧品)に就任する。
(WWD 12月2日)

 女性社長は介護事業所や訪問看護事業所では珍しくなく、女性社長という見方すらない。
医療・福祉業界では伝統的に主戦力が女性であり、厚生労働省の調査では女性管理職比率は約45%である。主戦力が女性であるだけに、そもそも女性の戦力化という経営課題が成り立たないのだが、業界としては例外だろう。
 他の業界では女性の社長就任はどんな現状にあるのだろうか。帝国データバンクの調査によると、国内企業の女性社長比率は2024年10月時点で8.4%。上昇を続けているものの、スピードは緩やかで1ケタ台にとどまっている。
 年齢構成比では男性と同様に高齢化が顕著で、最多が「60~64歳」 の13.6%だった。「75~79歳」は11.4%で、前年の10.8%)から上昇した。世代交代が進んでいない現状が反映されている。
業種細分類別で多かったのは「保育所(」40.0%9、「化粧品販売」(36.0%)、「美容業」(33.3%)など美容関連業種につづいて、「老人福祉事業」(30.8%)、「身体障害者福祉事業」(26.6%)、「知的障害者福祉事業」(25.5%)の社会福祉関連が多い。
帝国データバンクは「人材教育の面では科学技術系の分野に長けたSTEM人材の育成も注目されている。このような、今までは女性活躍が進んでいなかった分野への着手が数多くみられるものの、数値目標の達成を目的とした登用には注意が必要だ」と指摘する。
ただ、役員や管理職への登用と違い、社長への登用は数値目標に影響を受けるような人事ではない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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