2024/12/04
石破茂首相は26日、政府と経済界、労働団体のトップが意見交換する「政労使会議」のあいさつで、来年の春闘について「労働者の賃金水準を引き上げるベースアップを念頭に33年ぶりの高水準の賃上げとなった今年の勢いで大幅な賃上げの協力をお願いする」と述べた。また、最低賃金を引き上げていくための対応策を来春までに取りまとめるよう関係閣僚に指示した。
首相は、政府として賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済を実現することを目指すと強調。賃上げの流れが中小企業や地方で働く人々に行きわたることが重要であり、このほど総合経済対策に盛り込んだ賃上げ環境の整備のための具体策への取り組みを進めると語った。
石破政権は、最低賃金について2020年代に全国平均1500円という目標を掲げる。首相は今後も政労使の意見交換を開催し、官民で問題の深堀りや環境の整備を図っていくとし、赤沢亮正経済財政・再生相や関係閣僚に、最低賃金引き上げのための対応策を来春までに取りまとめるよう指示した。
(ロイター 11月26日)
2025年春も賃上げが継続される機運で、三菱総合研究所の予測によると、25年春闘の賃上げ率は4%台半ば。24年に比べて鈍化するが、高止まりがつづくという。
しかし賃上げ率には企業間格差が大きく反映されるだろう。連合は中小企業の賃上げについて6%以上を要求するが、すでに中小企業のなかには賃上げ余力が限界に達している例も散見され、大手企業との間で賃上げ格差が顕著に出るのではないだろうか。
中小企業の賃上げが厳しい要因のひとつに、価格転嫁の遅滞が挙げられる。帝国データバンクの調査でも地帯の実態が報告されているが、三菱総研は「相対的に転嫁の難しかった人件費についても、販売価格に反映させる動きが進みつつある」と分析する。
たとえば価格改定時期にあたる10月のサービス価格を23年と24年で比較すると、人件費の上昇を価格に転嫁する動きが進みつつあるというが、大手企業も委託業務の体制強化には価格転嫁を受け入れる流れにあるのだろう。
商売のセオリーに「利は元にあり」という教えがある。
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