2015/09/03
シャープでは6月下旬から、希望退職の対象となる45~59歳の社員全員に対し部門ごとにトップが個別に面談。1回目は会社の方針や退職金などを説明。2回目以降に対象者の意向を確認。部門ごとに人員削減の目標人数を設定し、5段階評価の人事評価で一定以下の対象者で退職を希望しない人には3回目以上の面談が続き、「今後、あなたには活躍の場がないかもしれない」と事実上の退職勧奨をするケースもあった。
面談はコンサルタントなどの外部人材を使わず、部門長が直接部下と対話する方式を採用し、ある男性社員は「同じ釜の飯を食っていた部下に対し上司が『あなたは要りませんよ』と言い渡す。職場は疑心暗鬼に陥り、前向きな一体感など生まれようがない」と説明する。(産経新聞 8月26日)
同僚が希望退職をしてゆくなかで、再建への一体感が生まれたとしたら、異状というほかない。疑心暗鬼になるのが正常な風景である。
そもそも上司が退職勧奨に向けて、何度も面接を繰り返すような手段に問題がある。粘着質な手段は、怨嗟を残すだけである。希望退職の募集時に、目標人数に到達しなければ、人事評価に基づいて退職勧奨を実施することを説明しておけばよい。
面談を繰り返し、退職勧奨を申し渡す上司にとってもマイナスだ。寝起きが悪くなるどころか、要らぬ恨みを買ってしまい、それがいつ、どのようなかたちで我が身にはね返ってくるのか。感度のよい人物ならば、因果応報に怖れを抱かざるをえないのではないか。
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