2015/08/31
シャープは21日、45歳―69歳の国内社員を対象に募集していた希望退職が3234人になったと発表した。国内連結従業員2万4000人の13%に相当する。
2012年に募集して以来の希望退職で、3年間の国内従業員の削減数は6000人を超える。
退職関連費用で2015年4―9月期決算で243億円の特別損失を計上する。今回の人員削減による固定費削減効果は16年3月期に150億円を見込む。シャープは今回の特損を織り込み済みとしているが、16年3月期の当期純損益の予想は開示していない。
希望退職は、7月27日から8月4日まで募集していた。定員は3500人で特損は350億円を想定していたが、募集した人数はこれに達しなかった。9月30日付で退職する。
(ロイター 8月21日)
シャープほどの企業が実施するかどうかはわからないが、希望退職者が目標値に達しないと、次は勧奨退職もありうる。いくらシャープの社員が優秀でも、希望退職の対象年齢である45歳を過ぎたら、人手不足の時勢とはいえ、そう容易に就職先が見つかるものではない。
45歳以上の社員がこの現実をわかり切っているから、希望退職者数が目標に達しなかったのだろう。当然、会社側も45歳を過ぎて退職すれば路頭に迷うことぐらい百も承知だが、もはや道理を気にかけていられる状況ではなく、自身の延命に四苦八苦なのだ。
希望退職をひとたび実施すると、企業は慣れっこになってしまい、(固定費削減に迫られたら希望退職という手段がある)と割り切って判断するようになる。希望退職を最終手段と考えることが企業価値を損ねるという風潮すら定着しかねなくなった。
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