2024/11/08
富士通は31日、国内の間接部門の幹部社員を対象に、早期希望退職を募ったと明らかにした。募集人数は公表していない。すでに募集を締め切り、応募者の多くが10月末で退職したという。退職金の積み増しなどの関連費用として200億円を同日発表した2024年9月中間決算に計上した。
社員の転職を支援する独自制度「セルフ・プロデュース支援制度」を一定の期間、拡充して実施した。デジタル化を支援するIT事業への転換を進めるなかで、人材の配置を見直した。事業の再編や関係会社の統合などで、間接部門に余剰が生まれていたという。
磯部武司副社長CFO(最高財務責任者)は「事業構造の変革のスピードがかなり早くなってきたので、いま一度、人材構成の変革のスピードも上げなければいけないという課題認識があった」と説明した。
(朝日新聞デジタル 10月31日)
富士通は2022年にも、グループを含めた50歳以上の幹部社員のセルフ・プロデュース支援制度に応募した人数が3031名だったと発表している。このときは希望退職の募集に伴う関連費用650億円22年3月期決算に計上した。今回の募集人数は非公表だが、関連費用が200億円なので、大まかに見て22年の3分の1弱の1000人程度なのだろうか。
富士通は25年3月期の連結営業利益予想(国際会計基準)を従来の3300億円から3100億円に下方修正した。決算説明で磯部武司代表取締役副社長・CFOは「事業構造の変革のスピードがかなり早くなってきたので、今一度、人材構成の変革のスピードを上げなければいけない」と危機感を示した。
「人材構成の変革」とは、早期退職の対象が50歳以上の幹部社員なので、世代交代を指していると理解できる。ただ、50歳以上でも幹部以外の社員は対象外なのだろうか。それにしてもセルフ・プロデュース支援制度という制度名は巧みだ。退職して次の道に進むには、確かにセルフ・プロデュースが必要である。
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