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東京・豊島区職員84人が通勤手当を不正受給…実際と異なるルートを届出

東京都豊島区は11日、退職者を含む区職員計84人が計989万8857円分の通勤手当を不正受給していたと発表した。実際とは異なる通勤ルートを届け出て、手当を過大に受け取っていたという。区は不正受給額や職責を基に12人を懲戒処分し、高際みゆき区長ら特別職4人は責任を取って給与を減額する。
 区によると、不正受給に関する情報提供を受け、昨年9~10月、通勤手当を支給している1871人を対象にICカードの履歴などを全て確認した。その結果、バス通勤を届け出ているのに自転車を利用しているなど、届け出と異なるルートでの通勤が相次いで判明。最長で2011年まで遡って調べた。1人あたりの不正受給額の最高は計91万円だった。退職者を含めて全員、返金予定という。
 懲戒処分の内訳は減給2人、戒告10人。退職者4人を除いた残る68人は口頭厳重注意とした。一方、高際区長の給与減額は10分の2(1か月間)とした。

職員の交通費不正受給問題について、高際みゆき区長は「本件が発生した背景には、職員の著しい規範意識の欠如に加え、区として、これまでの職員に対する通勤実態の調査に関し、不適切な面があったと認識している」とコメントした。
(読売新聞 2024/9/12)

豊島区庁舎は有楽町線東池袋駅に直結しているが、都電荒川線東池袋駅および雑司が谷駅から徒歩5分。副都心線雑司が谷駅から徒歩5分。JR、西武池袋線、東武東上線、丸ノ内線、副都心線が乗り合わせる池袋駅からは徒歩7~8分だ。区庁舎の最寄り駅は東池袋駅だが、池袋駅からは十二分に徒歩圏内である。
たとえば東池袋駅までの通勤交通費を申請して、池袋駅から徒歩で往復すれば一駅分の交通費が浮く計算で、そんな職員も少なからずいたのだろう。
豊島区は幹部職員の被処分者と処分内容を公表した。環境清掃部副参事(51 歳)は平成 31 年4月から令和5年9月まで 不正をつづけ、不正受給額は37万7260 円。処分内容は減給 10 分の1。
教育委員会事務局教育部 統括指導主事(52 歳)は令和2年4月から令和5年9月まで不正をつづけ、不正受給額は21万2680 円。処分内容は減給 10 分の1。総務部 副参事(60 歳)は令和5年4月から令和5年9月まで不正をつづけ、不正受給額は8万0260 円。処分内容は戒告。
ほかにも文化商工部副参事(50 歳)、文化商工部副参事(57 歳)、子ども家庭部副参事(61 歳)、区民部主事(54 歳)、福祉部主事(64 歳)、子ども家庭部主事(54 歳)、都市整備部主事(61 歳)、都市整備部主事(57 歳)、都市整備部主事(62 歳)の不正受給期間、不正受給額、処分内容が公表された。
 他の自治体はどうなのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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