Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

7月実質賃金0.4%増、2カ月連続プラス 夏ボーナス伸び

厚生労働省が5日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、名目賃金から物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月から0.4%増加した。プラスは2カ月連続。夏の賞与など「特別に支払われた給与」の伸び率が大きかったことが寄与した。
名目賃金を示す1人あたりの現金給与総額は3.6%増の40万3490円と、2年7カ月連続で増加した。伸び率は7月の消費者物価の上昇率(3.2%、持ち家の家賃相当分を除く総合指数)を上回った。現金給与総額のうち特別に支払われた給与は6.2%多い11万8807円だった。
厚労省によると、6月から7月にかけて夏季賞与を支払う企業が増えた可能性があるという。賞与は6月に支給する企業が多く、7月の実質賃金のプラス幅は前月から0.7ポイント縮小した。
現金給与総額の内訳では、基本給を中心とする「所定内給与」が前年同月比2.7%増の26万5093円となった。ベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた賃上げ率が平均5%を超えた24年の春季労使交渉(春闘)の結果が反映されて伸び率は31年8カ月ぶりの大きさとなった。
(日本経済新聞 9月5日)

実質賃金の減少は会社員の小遣いにも反映されている。賃上げがつづいても小遣いもは減少している。
SBI新生銀行が20代から50代の男女約2700名を対象に実施した「2024年会社員のお小遣い調査」に、その一端が垣間見える。小遣いの平均額は、男性会社員は3万9081円(前年比1477円減)、女性会社員は3万4921円(80円減)。ともに前年から減少した。
男性会社員の場合年、20代・と40代で大幅に減少し、一方、50代で大幅に増加したが、世
代間の差異には教育費や住宅ローンの負担が反映されているようだ。
昼食代は、男性会社員は709円(前年比85円増)。女性会社員は694円(2円減)。男女とも弁当持参弁当の割合が最も高く、男性で36.7%、女性で53.5%を占めた。要因は飲食店の値上げだろう。都内の飲食店がを歩くと、ワンコインランチを提供していた飲食店が、今では600~700円に値上げする例が目に付く。
飲み代はどうだろうか。男性会社員は1万3533円(前年比317円減)。女性会社員は9791円(217円増)。女性会社員は男性会社員に比べて飲む回数が少ない分、1回当たりの単価が増えているのだろうか。
賃上げが物価高騰に追いついていない実態がわかる調査結果だ。
 

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。