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「最低賃金1005円」審議会答申に不満 茨城県知事「1040円程度に」

茨城県内の2024年度の最低賃金(時給)について、大井川和彦知事は8日の定例会見で「経済実態からすると1040円程度になる」と述べた。知事は5日の「茨城地方最低賃金審議会(会長・清山玲茨城大教授)」の引き上げ答申額1005円を批判していたが、具体的な金額を挙げて改めて不満を示した。
 同審議会は5日、これまでより52円引き上げるよう茨城労働局長に答申し、10月1日から適用される見通しとなっている。知事は答申に対し「県の経済実態が十分に反映されたものとは言えない」とコメントした。
 知事は8日の会見で、今後について「経済実態を十分反映した最低賃金になるよう、県としても引き続き努力したい」と話し、関係機関に働きかけていく意向を示した。
(東京新聞 8月9日)

中央最低賃金審議会は7月24日、2024年度の最低賃金の目安を全国平均で時給1054円と決定した。前年度から50円引き上げ、過去最大の上げ幅になった。中央最低賃金審議会での決定を経て、地方最低賃金審議会で調査審議等を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定し、10月に実施される。
最低賃金制度に基づいて、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。かりに最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意で定めても最低賃金法で無効とされる。
罰則も定められ、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が課せられる。
最低賃金の政府目標は30年代の前半までに1500円に引き上げることだが、中小企業にとっては人件費増が重く、経営難の要因になりかねない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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