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「女性管理職3割は当然」 中小の先行企業に求職者絶えず

産業界で人手不足が深刻化するなか、求職者が引きも切らない中堅・中小企業がある。共通するのは女性管理職が多いことだ。政府が目標に掲げる3割の比率をほぼ達成した企業も少なくない。女性が働きやすい職場は男性も働きやすい。労働環境の改善が社員の定着率を高め、人材獲得競争でも優位に立つ好循環を生んでいる。
(中略)
厚生労働省が女性活躍の推進に取り組む企業を認定する「えるぼし」の取得企業は増えている。女性管理職の比率が産業別の平均値以上であることや、採用環境に男女で大きな差がないなど、5つの基準をすべて満たす「えるぼし(3段階目)」の認定企業は1800社を超えた。
特に従業員300人以下の中小企業の増加が目立つ。3月時点の最新のデータでは945社と5年前の6倍近くに増え、301人以上の企業数(915社)を初めて上回った。
より厳しい基準が問われ、全体で約60社にとどまる「プラチナえるぼし」は301人以上の企業がまだ多いものの、女性活躍の取り組みは着実に中小企業に広がっている。
(日本経済新聞 7月25日)

 「えるぼし」の認定の段階は「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」、「多様なキャリアコース」の 5 項目の認定基準が設けられている。
 このうち管理職比率は①直近の事業年度において、管理職に占める女性労働者の割合が産業ごとの平均値 以上であること②「直近の事業年度の平均した1つ下位の職階から課長級に昇進した女性労働者の割合」/「直近の事業年度の平均した1つ下位の職階から課長級に昇進した男性労働者の 割合」が8割以上であること――このいずれかに該当することが要件である。
「プラチナえるぼし」の管理職比率は「直近の事業年度で、管理職に占める女性労働者の割合が産業ごとの平均値の1.5倍以上であること」が要件である。
女性社員の活躍は収益にも直結する。「女性版骨太の方針2024」に、公共調達に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)等に基づく認定を受けた企業に対して、これまでの国の機関における加点評価の実施状況や、競争参加者の特性等を踏まえ、「更なる改善を図る」と盛り込まれた。
この施策はもっと周知されたほうがよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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