Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

明治安田生命、定年70歳に延長 27年度から、シニア人材活用

明治安田生命保険が営業職員以外の定年を現在の65歳から70歳に引き上げる方針であることが1日、分かった。  
労働組合側と協議を進め、2027年度の導入を目指す。同社によると、大手金融機関で定年を70歳にするのは初めて。人口減少などで働き手の確保が課題となる中、シニア人材を活用する。  
65歳以降は本人の希望に合わせ、時短勤務や週3~4日勤務といった働き方も選べる。また、従来通り65歳で退職金を受け取り、その後は契約社員として働くこともできる。
(時事通信 7月1日) 

 定年70歳時代が足音高く近づいている。その地ならしとして、高齢者の定義が見直されつつある。さる5月23日に開かれた経済財政諮問会議は、高齢者の定義について「5歳延ばすことを検討すべきだ」と主張した。前期高齢者は65歳から70歳へ、後期高齢者は75歳から80歳へと引き上げられるのだろうか。
 すでに2017年、日本老年学会・日本老年医学会は、65~74歳を「准高齢者」、75~89歳を「高齢者」、90歳以上を「超高齢者」と区分することを提言しているが、7年を経て政府が動き出したのである。
 政府が動き出すホンネは公的年金の支給年齢引き上げだろうが、そのためには「60代はまだまだ若い」と裏付けてくれる医学界の援軍が必要だ。エビデンスが発表されるかもしれない。
 事業主に対しては、21年に施行された改正高年齢者雇用安定法に努力義務として①70歳までの定年の引上げ②定年制の廃止③70 歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入④0 歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入――などのいずれかの措置を講ずるよう努めると示した。
努力義務を外れて70歳定年が普及すれば、現役年齢が延びたことを理由に公的年金の支給開始が70歳に引き上げられても、軋轢は生じないだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。