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IT人材の転職活動でエージェントへの不満、1位は?

総合人材サービスを行うウィルオブ・ワークが運営するIT人材転職サービス「ウィルオブテック」は2024年5月23日、「ITエンジニアの転職活動」に関するアンケート調査の結果を発表した。
調査では続いて、IT人材がエージェントをつかった転職活動をするときに、エージェントから紹介してほしいと思う求人数の目安を質問した。
すると、「10件未満」が30.3%、「10件ー20件」が40.2%、「20件ー50件」が18.3%、「50件ー100件」が7.5%、「100件以上」が3.7%となった。
続いて、「転職活動において苦労したのはどのフェーズだったか」の質問で(「IT人材の転職活動で苦労した場面 3位「面接」、2位「転職エージェントの選定」、1位は?」を参照)、「エージェントのキャリア面談に苦労した」と答えた回答者にその理由を聞いた。
その結果、「エージェントがエンジニアの技術についてあまり理解していない」が56.8%で最多になり、50%を超えた。次いで「面談の時間が長い」が50.4%、「エージェントがエンジニアのキャリアステップについて理解していない」が46.8%、「面談可能時間が日中が多く、業務後や休日に面談できない」が32.4%と続いた。
(J-CAST ニュース 6月9日)

転職エージェントにも正直な人は少なくない。求職者に対して自分の経歴を開示したうえで「この分野なら把握しているが、この分野については門外漢なので人材の目利きができない」と打ち明けたエージェントがいる。「いくら取り繕っても求職者にバレて信用をなくすだけだから、前もって話しておく」と。
求職者がこのエージェントを頼りないと思うのか、それとも信頼できると思うのか。どんなエージェントが担当に就くかは運も大きいだろうが、エージェント会社については、厚生労働省が「職業紹介優良事業者認定制度」を設けている。
認定の必須基準は①手数料を公表している②早期退職時の返戻金制度を設けている③求職者に「お祝い金」を支給していない④自らの紹介により就職した者に対し、転職勧奨をしない⑤転職活動を濫りに助長するような広告をしない⑥要配慮個人情報は、本人の同意を得ないで取得していない⑦求人情報は、求人者や求職者に定期的に情報が最新であるか確認を行う、および求人や求職者の情報の時点――など19項目。
審査を受けて基準をクリアすると、ホームページなどで認定マークを掲載し使用することができる。信頼を担保する制度だが、エージェントひとり一人の能力は対象外である。
能力を担保するような公的な認定資格が必要なのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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