くら寿司が全社員対象にベア実施、10.73％－初任給も３万円引き上げ

くら寿司は給与改定を行い、全社員を対象に10.73％のベースアップを実施すると４日、発表した。基本給は月３万円引き上げる。改定は１日付。
大卒初任給は月23万円から同26万円に引き上げる。業績が好調に推移していることを受け、役職者以上の社員を対象に特別報奨金10万円を５月15日に支給した。
（ブルームバーグ　6月4日）

公開情報によると、くら寿司の平均年収は460万円。国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」で発表された平均年収458万円とほぼ同額だが、東京商工リサーチが発表した令和4年度の上場企業3235社の平均年収620万円に比べて160万円低い。
さほど給与水準が高くない外食上場企業と比較しても、やや見劣りする。人材業界専門の転職エージェント「人材業界転職ルート」が外食上場企業の平均年収を整理しているので、紹介しておこう。
多い順に、FOOD&LIFE COMPANIES774万円、トリドールＨＤホールディングス743万円、吉野家ホールディングス718万円、サイゼリヤ660万円、すかいらーくホールディングス655万円、ゼンショーホールディングス644万円、ロイヤルホールディングス　642万円、コロワイド637万円。
くら寿司のホームページに中途採用の想定年収が掲載されているが、想定年収は276万円～900万円。平均年収の例は、店長（28歳）422万円、SV（32歳）504万円、AMG（33歳）557万円、MG（35歳）650万円である。
大幅な賃上げはくら寿司にとって、まずは他の上場外食企業の水準に追いつく施策のように見える。