東芝は21日、組織的に利益を水増ししていた不正会計問題の責任をとり田中久雄社長、佐々木則夫副会長、西田厚聡相談役の歴代3社長が同日付で辞任したと発表した。田中、佐々木の両氏を含めた取締役8人と相談役の計9人が辞任し、経営陣を刷新する。東芝の不正会計問題は、取締役16人の半数が引責辞任するという異例の事態に発展した。
室町正志会長が22日から社長を兼務する。9月に開く臨時株主総会まで暫定的に社長を務める見通しで、新たな経営陣は8月中旬に公表する方針だ。
田中社長は、利益の水増しを指摘した第三者委員会の調査報告書の提出を受けて記者会見し、「株主をはじめ、すべての皆様におわびする」と陳謝。「140年の東芝ブランドイメージの最大の毀損(きそん)と認識している。重大な経営責任は経営陣にあり、その責任を明らかにするために辞任する」と辞任理由を述べた。
(毎日新聞 7月21日)
この問題を調査した第三者委員会は利益至上主義や上司に逆らえない企業風土などを指摘したが、どうも曖昧である。利益至上主義も、上司に逆らえない体質も、どんな企業にも大なり小なりあるものだ。辞任した歴代の3社長間の派閥抗争に原因があるという見方も、話としてはおもしろいが、もっと深い闇が潜んでいるのではないだろうか。
対策に挙げられたガバナンスの強化や意識改革も、たしかにその通りだが、お決まりのパターンだ。求められるのは懲罰制度の厳格化である。身に堪えるのは退職金の不払い、あるいは関連会社への移籍禁止など本人の損得を直撃する手段だ。
(こういう処置をされたら絶対に困る)という中身でない限り、不正行為に走る人にとっては怖くも何ともないのである。
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