2024/05/07
群馬や神奈川など1都8県で「カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)」25店舗をフランチャイズ(FC)展開する群馬県太田市の「スカイスクレイパー」の社長に5月、アルバイト従業員の諸沢莉乃さん(22)が就任する。高校から働き始めて8年目の抜てきに「年齢や雇用形態に関係なくキャリアアップできる職場を目指したい」と意気込む。
高校に入学した15歳の時、横浜市緑区の自宅近くで同社が経営する店舗でアルバイトを始めた。先輩から笑顔と機敏な動き、爽やかさが大切だと教わった。接客を担当し、2年ほどで全国の店舗を対象にした接客のコンテストで最終審査まで進んだ。「接客業の面白さを実感した」
19歳の時、全国のココイチで当時15人しかいなかった「接客のスペシャリスト」に認められて間もない頃だった。50歳をメドに経営の一線から退こうと考えていた、スカイスクレイパーの西牧大輔社長(54)が「笑顔も元気さも、接客姿勢も輝いている。後ろ向きの発言も人の悪口も言わず信用できる」と、後任として白羽の矢を立てた。打診を受け、「アルバイトの自分が社長になるのも面白いし、ワクワクした」と、迷わず「はい」と答えた。
それから2年余り。社員約45人、パート・アルバイト従業員約390人を抱える年商約20億円の会社を率いるため、アルバイトを続けながら、店舗のとりまとめや経営を今なお勉強中だ。
(読売新聞オンライン 4月28日)
スカイスクレイパーに西牧大輔社長の後任者として他に候補者がいなかったのかどうかはともかく、年齢に拘泥せずに諸沢莉乃さんを次期社長に指名したのは、よほど資質を見込んだのだろう。
同社のホームページにアップされた西牧氏と諸沢さんの対談で、西牧氏はこう語っている。
「長年社長をやってる人で、こんなこともできないのかっていうよりは、まだ若くて1〜2年目なんかは、一生懸命やっていれば周りが支えてくれるし、周りも許してくれるし、失敗してもいいくらい!落っこちる前には落ちるぞって僕も止めるので、そう思って思い切ってやっていいと思います!」
若いうちに修羅場を経験させようと、数々の機会を与えようという意図を理解できる。諸沢さんも苦難を承知のうえで引き受けたのだろうが、どんな社長をめざしているのだろう。同社のホームページにアップされたインタビューで諸沢さんは、率直に答えている。
「人として人間性を高め“愛”のできる会社です!わからないことは素直に聞き、教え合い、年齢、性別関係なく会社全体で高め合える関係を作り続ける会社を目指します。その上で『この会社で働いて良かった』『この会社で成長できた』と思っていただける会社にします」
この発言に率直な人柄がうかがえるが、応援したくなる人は多いだろう。
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