2024/04/29
共同通信社が主要企業118社に行った採用アンケートで、会社を退職した元社員を再び雇用する制度や仕組みを導入している企業の割合が71%(84社)に上ったことが、20日分かった。人手不足で人材獲得の厳しさが増す中、元社員を英語で「卒業生」との意味がある「アルムナイ」と呼び、社外で経験を積んだ即戦力として期待する動きが広がる。
こうした制度や仕組みは「Uターン採用」(清水建設)や「ウェルカムバック採用」(JR東日本)など呼び方はさまざまだ。企業文化になじみがあり、育成の労力が少なくて済むことも導入が進む一因になっている。
(共同通信 4月20日)
退職者が復職するケースは、中小企業では昔から珍しくなかった。会社にとっては戦力として確実にアテにできてミスマッチのリスクを回避できるうえに、退職者にとっては転職リスクを回避しやすい。双方に同様のメリットがあったのだ。
あえて人事制度に組み込むほどの取り組みではなかったが、アルムナイという言葉で人事制度改革の一環として報道され、アワードも開催されるようになると、アルムナイを実施しない会社には、閉鎖的というイメージが付きかねない。
アルムナイ研究所などが事務局を運営する「ジャパン・アルムナイ・アワード2023」で
グランプリを受賞した、みずほフィナンシャルグループも、この点が評価された。
同グループは「アルムナイの活躍が〈みずほ〉の誇りである」という考え方を浸透させていきたいという方針で取り組み、2022年のグランプリ受賞後から約4倍にネットワーク参加者が急拡大し、社内での認知や退職者の受け止め方に変化が現れているという。
審査員は「メガバンクであるみずほフィナンシャルグループの取り組みが、『退職者は裏切り者』という日本企業的考え方の捉え方への変化を起こしており、金融業界のカルチャー変革の一手になっている」と評価した。
ジョブ型人事の普及によってアルムナイ採用は実施しやすくなる。
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