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25年卒大学生の内定率58% 過去最高、選考の早期化で

就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルート(東京)は10日、2025年卒業予定大学生の今月1日時点の就職内定率が、前年同時点比で9.7ポイント増の58.1%だったと発表した。現行の採用日程になった17年卒以降で過去最高。人材獲得競争が激しく、選考の早期化が鮮明となった。  
同社就職みらい研究所の栗田貴祥所長は「人口が減っていく中で優秀な人材を確保するため、規模や業種に偏りなく企業が選考を早めている」と分析。25年卒の採用から、インターンシップ(就業体験)に参加した学生の情報を企業が選考に活用できるようになったことも影響したという。
(共同通信 4月10日)

新入社員の意識は数年おきに変化するようだが、世代に加えて時々のキーワードが反映される。この数年は、官民で進む働き方改革が新入社員の意識に根を下ろしていることがわかる。雇用側も念頭に置いて採用活動に取り組んでいるだろう。
人材育成データ・機械学習技術等を活用した、社会人向け教育サービスの提供を行うアルー(東京都千代田区)は、2024年4月に新卒社員として企業へ入社する内定者309名を対象に調査を実施した。
「あなたが望む仕事・働き方はどのようなものですか?」。この質問に対して67.0%の新卒社員が「仕事とプライべートのどちらも同じくらい大事にしたい」と回答した。この回答は昨年よりも7.0%上がったという。雇用側も就労環境の改善に努めないと、それだけで離職されてしまうリスクがある。
では、「あなたは内定先企業のどのような点に魅力を感じて、入社を決めましたか?」。最も多い回答が「仕事内容」(66.0%)だった。この回答割合は妥当だろうが、次に多かった「給与・福利厚生」(63.8%)、その次の「働き方・労働環境」(56.0%)がほぼ同じ水準だった。
その一方で「事業内容」はわずか28.8%に過ぎない。もっと回答割合が多くなるようにPRを強化したほうがよいと思うが、それは過去の考え方なのかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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