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中途採用5割迫る 今年度「新卒中心」転換点

日本経済新聞社が7日まとめた採用計画調査で、2024年度の採用計画に占める中途採用比率は過去最高の43.0%と5割に迫る水準になった。少子化と人手不足を背景に、中途人材を補充要員ではなく、戦略的に経営に取り込む企業が増えている。新卒中心の採用慣行は転換点を迎えた。
 主要企業5171社に採用計画を聞き、3月12日までに未確定とした企業も含め2242社を集計した。そのうち具体的な数値計画を示して中途採用計画を回答した企業は54・2%にあたる1215社と、23年度の795社から増加した。
 中途採用の計画人数は23年度実績比で15・0%増の12万6309人と過去最高だった。高卒を含む新卒採用全体(25年春入社)は同14・7%増の16万7223人。この結果、計画時の中途採用比率は23年度の37・6%から5・4ポイント上昇した。
 人材サービスのエン・ジャパンで求人ザービス「エンゲージ」の事業責任者を務める岩崎拓央氏は「中途採用は人手が足りない時にその都度募集することが多かったが、あらかじめ計画を立てて採用していく動きが広がっている」と指摘する。
(日本経済新聞 4月8日)

 半年ぐらい前にも自宅の郵便ボックスに投函されたが、またしても同じ栞が投函された。「東京都にお住いの方へ ビズリーチからのご案内」と書かれた栞をめくると、「驚きのスカウトを受け取ってみてください」という案内文の横にQRコードが印刷され、ビズリーチへの登録を案内している。
 その対面には、スカウトでの転職で年収がアップした事例が書かれている。商社でマーケターを務めていた20代後半の女性は、コンサルティング企業の人事担当にスカウトされて、年収が500万円から720万円にアップしたという。
 物流企業の経営企画に従事していた30代前半の男性は、金融系IT企業の経営企画担当にスカウトされて、年収が650万円から800万円にアップ。日系Slerで技術職に就いていた30代後半の男性は、日系IT企業の社内SEにスカウトされて、年収が570万円から800万円にアップしたという。
 3つとも実例ではなく事例なので創作かもしれないが、書かれている年収にはリアリティーがある。生活水準が一変するような金額ではないが、ステップアップにふさわしい金額だ。ただ、この恩恵にあずかるには相応のスペックを備えていることが必須要件だろう。
 中途採用が採用のメインになりつつある時世とはいえ、ステップアップ型の転職を図るには人並み以上の努力が欠かせない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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