職業能力開発を手掛ける東京しごと財団(千代田区)は6月、都内中小企業の採用支援事業を始める。3年で非正規1万5000人の正社員化を目指す都の政策実現を後押しするため、事業を拡大する。採用余力のある中小企業には若年層が就職を望まないミスマッチがある。正社員化を進めるには企業側にも自社の魅力を伝えるノウハウ指導が必要と判断した。
都内中小企業の人事担当者向け講座を新設し、大手志向の根強い若年層などを採用するノウハウを指導する。初年度は1回30社を対象に年12回開く計画で、参加は無料。正社員になれば大企業より重要な職責を担いやすいなど、中小企業で働く魅力を伝えられるように企業説明の文言や面接時の接し方を教える。
(日本経済新聞 5月14日)
今も昔も、中小企業の採用で何をアピールしているのかといえば(組織の歯車になってしまう大手と違い、若い自分から裁量を与えられるので張り合いがあるし、力もつく)。これである。
しかし、入社して数年後に何がしか肩書きを与えられる会社は、それだけロールモデルとなる社員が乏しく、自分の成長イメージを描けないことを学生たちは思っているのだ。たとえば会社説明会で説明にあたる社員が魅力にあふれているかどうか。公開情報だけでは把握できない実像が、その社員から見て取れる。
企業規模が小さいとか、給与水準が低いとか、福利厚生が未整備とか、それらは学生にとって重要な要素に違いないが、それ以上に、確かな成長シナリオを固めて、社会価値の高い事業を展開しているかどうか。そのいかんは社員の全体像に反映されているものだ。
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