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9月の実質賃金、2.4%減 18カ月連続マイナス、家計圧迫

厚生労働省が7日発表した9月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動を加味した実質賃金は、前年同月比2.4%減で、18カ月連続のマイナスとなった。 
名目賃金に当たる現金給与総額は、21カ月連続でプラスだったものの、高い水準で推移する物価に賃金の伸びが追い付かず、家計を圧迫する状況が長引いている。  
現金給与総額は、1.2%増の27万9304円だった。このうち、基本給を中心とした所定内給与は、1.5%増の25万2781円。  
残業代などの所定外給与は0.7%増の1万8795円。主にボーナスが占める「特別に支払われた給与」は6.0%減の7728円だった。

(共同通信 11月7日)

 来年には65歳以上の介護保険料が引き上げられ、実質賃金にダメージを与えそうだ。
社会保障審議会介護保険部会は6日の部会で、65歳以上の高齢者について、年間合計所得が410万円以上の人を対象に10~13段階を新設する見直し例を提示して、大筋で合意された。年末に結論が出る。
所得に応じて負担を求める応能負担の方針が実施されるのだが、年間所得410万円以上の層には痛手だろう。
 足元では物価高が止まらない。帝国データバンクの調査によると、主要食品メーカー195 社の家庭用を中心とした飲食料品値上げは、10月に4634 品目。単月としては年内で3番目、22 年以降では 4番目に多い水準となった。同社は「急激に値上がりした前年の原材料 価格の上昇分について一定の価格転嫁ができた企業が増えていることから、値上げの勢いは 23 年 後半にかけて後退傾向にある」と分析しているが、要は上げ止まりに向かっているのだろうか。
 現状では急激に値上がりした前年の原材料 価格の上昇分について一定の価格転嫁ができた企業が増えていることから、値上げの勢いは 23 年 後半にかけて後退傾向にある。そのため、値上げは 10 月を一旦のピークとして 23 年末にかけて 小康状態が続くと想定され、大幅な賃上げが継続されないと実質賃金はプラスに転じない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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