Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

中途人材、経験が即戦力 山口祥義佐賀県知事

――積極的に中途採用人材を増やしています。
「中途採用の職員が数%程度の自治体が多いなか、佐賀県庁は民間で経験を積んだ人材が15%を占めるなど全国トップです。県の仕事は県民を幸せにすることです。多様な県民に向き合うためには多様な人材が必要です。世の中の動きが速くなるなか、新たなことに挑戦し表現していくためには豊かな経験と即戦力のある人材が必要です。多様性が組織を強くします」
「私は常に挑戦し続けたいと思っています。都内の中高一貫校から鹿児島の高校に進学したのも、官僚になろうと思ったのも、知事選に立候補したのも、あのとき挑戦していればと後悔したくなかったからです。やるかやらないか迷ったら、やる。前に進むか進まないか迷ったら、進む。部下や後輩にも失敗を恐れずに挑戦してほしいです」
(日本経済新聞 10月12日)

 民間出身者の中途採用には神戸市も積極的だ。公式サイトには「デジタル」「土木・まちづくり」の係長級、課長級の求人がアップされている。
 デジタルの業務は、市が進める様々なICT活用施策のコンサルタント、全庁におけるサイバーセキュリ ティ対策、システム監査、その他職員のデジタルリテラシーの向上。土木・まちづくりの業務は、都市基盤(道路、河川、港湾、下水道等)の設計・施工・維持管理、土木領域への新 技術導入、都市空間のリデザイン、都市計画、都市交通、農林分野に関する計画の立 案・調整、民間の開発事業等の指導。
神戸市の久元 喜造市長は8月23日の定例会見で、経験者採用の理由について説明した。
「専門的知識を持った人材が欲しい。神戸市のように非常に幅広い仕事をやっている組織体の中では、脈絡なく人事異動をやっていると、いつまでたっても専門的知識が身につかない」
「専門的な知識を持った人材を外部から登用していく。鉄道、バス事業に長年携わってきた専門的な知識を持った人材を交通局長に任命をした。これまで労働組合への遠慮などもあって、事業所における十分な管理ができていなかったという状況も、外部から来た交通局長によって正されようとしている」
民間出身者の中途採用はプロパー職員のスキルが低いと評価されているようにも見えるが、プロパー職員は中途採用をどう見ているのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。