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看護師確保へ新指針、厚労省が改定案

厚生労働省の検討部会は27日までに、医療や介護の現場で必要な看護師らを確保するための基本指針の改定案を取りまとめた。改定は1992年の策定以来、初めて。新型コロナウイルスの対応で、専門性の高い看護師の確保や応援派遣が必要となった経験を踏まえ、処遇改善や資質向上の重要性などを明記した。
指針では、重症コロナ患者の診療に当たって看護師は専門性の高い職務が求められたと指摘。今後、新興感染症が発生した場合に、都道府県ナースセンターにおいて、離職中の「潜在看護師」に関する職業紹介や、就業前研修が重要だとした。
看護師の応援派遣が迅速に実施できるよう、特別な研修を終了した「災害支援ナース」の養成や、派遣を行う仕組みの構築が大切だとし、国や都道府県に周知や体制整備を進めるように求めた。
高齢人口のピークを迎える2040年に向けて、20年時点で約173万人いる看護職をさらに確保する必要があることも記載した。(日本経済新聞 8月28日)

 

さる8月24日に開かれた看護師等確保基本指針検討部会に厚生労働省が提出した資料によると、1990年に83.4万人だった看護師数は、2020年に173.4万人に増えている。就業場所は病院・診療所が多いが、訪問看護ステーションと介護保険施設等で就業する看護師等の増加割合も高い。
年齢階級別構成割合では、若年層の割合が減少し、60歳以上の構成割合が増加している。高齢化は看護師も例外ではない。性別の推移は男性の看護師が増加し、都道府県別の人口10万人当たり看護師等就業者数については、首都圏等の都市部において全国平均より少ない傾向が報告された。
今後は現役世代が減少する一方で、増大する看護ニーズに対応していく。看護師確保策には何が求められるのか。
 厚労省が提案しているのは、新規養成・復職支援・定着促進を三本柱にした取り組みの推進である。さらに看護師等の需給の状況は、地域別・領域別に差異があるため、地域・領域ごとの課題に応じた確保対策の実施が重要という。
 外国人材の確保は含まれていない。現実的ではないのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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