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春闘賃上げ率3.58%、30年ぶり高水準 連合最終集計、物価高で

労働組合の中央組織・連合は5日、今年の春闘で正社員の賃上げ率は平均3・58%だったとする最終集計を発表した。物価高や人手不足を受けて前年より1・51ポイント増え、30年ぶりの高水準となった。ただ、物価の伸びには追いついていないうえ、来年以降も大幅な賃上げが続くかは見通せない。
傘下の5463組合分を3日時点で集計した。賃上げ率は、定期昇給と、基本給を底上げするベースアップ(ベア)などを含む。組合員300人未満の中小組合に限っても3・23%と、30年ぶりの高水準だった。  
パートや契約社員など非正規労働者の賃上げ率も時給ベースで5・01%と、比較できる2015年以降で最も高かった。
(朝日新聞デジタル 7月5日)

連合にとって春闘は満足できる結果だったようで、「労使が中期的視点を持って粘り強く交渉した結果であり、『未来につながる転換点』となり得るものと受け止める」と表明した。
賃上げ分が明確に分かる 3186 組合の「賃上げ分」は 5983 円・2.12%、うち中小組合 2019 組合は 4982 円・1.96%。いずれも賃上げ分の集計を開始した「2015 闘争」以降で最も高かった。
有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額は、加重平均で、時給 52.78 円(29.35 円増)、月給6828円(2831 円増)。引上げ率は概算でそれぞれ5.01%、3.18%で、時給は一般組合員を上回った。
労働条件に関する各種取り組みでは、「36協定の点検や見直し、年次有給休暇の取得促進に向けた取り組み」「60歳以降の高齢期における雇用と処遇に関する取り組み」「改正育児・介護休業法施行に向けた取り組みと、育児・介護に関する両立支援制度の 点検・改善の取り組み」が多かった。
連合は「すべての労働者の立場にたった働き方の改善やジェンダー平等・多様性の 推進に向けても数多くの取り組みがなされている」と評価している。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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