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シャープが早期退職制度 55歳以上の管理職700人

シャープが55歳以上の管理職約700人を対象に早期退職制度を設けたことが27日、分かった。液晶事業の不振で2023年3月期の連結純損益は6年ぶりの赤字に転落したが、同社は「人員削減が目的ではなく、社員の次のステップを支援するための福利厚生だ」と説明している。 
 制度は4月下旬に導入。希望者に退職金に最大6カ月分の給与を加算する。シャープは過去の経営危機時に業績立て直しで希望退職を募集したことはあったが、早期退職の制度化は初めて。呉柏勲社長兼最高経営責任者(CEO)は4月、24年3月期の「黒字化は必達目標だ」と述べ、構造改革に「社員一丸で取り組む」と強調していた。
(共同通信 5月27日)

 シャープが6年ぶりに赤字に転落したタイミングで、55歳以上の700人を対象に早期退職制度を発足させたのだから、人員削減が目的ではないと説明しても、額面通りには受け取れない。構造改革といえばそれまでだが、社員には55歳定年制が導入されたように映るのかもしれない。
定年が延長される一方で、早期化するケースもある。コストパフォーマンスに見合わなくなった年齢層は、リスキリングではなく退職してもらったほうがよいと判断したのだろうか。
 55歳で退職すれば、あと15年ぐらいは働くことになる。ブルデンシャルジブラルタ ファイナンシャル生命保険は今年3月、1963年生まれの男女2000人を対象に、還暦以降の就労意向を調査した。
「59歳時点で就労をしている・していた人」(1527人)は何歳まで働きたいのか。最多は
「65~69歳まで」の42.4%。65歳以降も働きたいと思う人は81.4%、70歳以降も働きたいと思う人は39.0%だった。
高齢期に入っても働きつづけたいという意向は、年々強くなっている印象だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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