Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

25年に「女性役員1人以上に」 東証プライム企業へ促す

経済分野での女性活躍に関する内閣府の有識者会議は22日、民間企業の女性役員登用促進に向けた提言を大筋でまとめた。東京証券取引所の最上位「プライム」上場企業は、2025年をめどに女性役員を1人以上とし、30年には役員に占める女性比率30%を目指すべきだと促した。東証の規則に、目標についての規定を設けるよう求めた。
 目標達成の義務化までは踏み込まず、各企業が行動計画を作り、取り組みを進めてもらう内容。6月に策定する政府の「女性版骨太の方針」に反映させる。
 提言は「中長期的にはプライム企業に限らず女性登用が進む必要がある」と指摘し、対象企業の範囲や数値目標を見直すよう訴えた。

(共同通信 5月22日)

岸田文雄首相は4月27日に開かれた男女共同参画会議で、「女性版骨太の方針2023」の策定に向けて、3つの重要事項を示した。
第一に、企業における女性登用の加速化。女性役員比率のさらなる向上に向けた取り組みを強力に進め、まずはプライム市場上場企業について、2030 年までに女性役員比率を30%以上とすることをめざす。この実現に向けて、短期的な 数値目標の設定や行動計画の策定など、従来よりも踏み込んだ具体策を講じていく。
第二に、女性の所得向上・経済的自立に向けた取り組みの強化。多様で柔軟な働き方の促進等により、非正規雇用の正規化を引き続き進めるとともに、女性のデジタル人材の育成等のリスキリングのための環境を整備する。
第三に、女性が安心できる社会に向けた、あらゆる暴力の根絶。国会で配偶者暴力防止法の改正の審議が行われているが、被害者の保護のみならず、自立支援や公的機関と民間団体の新たな連携の仕組み等を具体化し、女性が安心できる社会を実現する。
女性役員比率を30%以上に引き上げるには、役員候補者の母数を拡大する必要があるだろうが、同時に候補者をビジネススクールに派遣する企業も増えるのではないだろうか。ビジネススクールは稼ぎ時かもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。