ベンチャー精神があれば「出戻り」歓迎-。NTT西日本は、同社を退社後に起業したり、ベンチャー企業に就職したりした人材に限定して再雇用する新しい人事制度を4月に始める。組織に安住しない人材の活力を取り入れ、新規事業の開拓を進める狙いだ。 村尾和俊社長が24日、関西経済同友会の代表幹事としての記者会見の席上で明らかにした。「リ・チャレンジ(再挑戦)採用」と名付けた制度。採用後は原則、かつての同期社員と職位などを同等とする。 これまでも中途採用の仕組みはあったが、契約社員の正社員登用や育児などで退職した後に復帰する社員の採用などが大半。起業経験者などに限定した再雇用制度は珍しいといい、NTTグループでは初という。 村尾社長は「会社を辞めてから苦労した経験がビジネスの創出に生きてくる。異能、異才な人材の感性を取り込みたい」と述べた。(産経新聞 3月25日)
新卒で大手企業に入社した社員とベンチャー企業した社員が30歳を迎えたとき、どちらがビジネスマンとして総合的に勝っているか。人それぞれと結論づけてしまえばそれまでだが、ある不動産ベンチャーの社長は「大手企業の社員のほうがすぐれています」と断言したものだ。
20代を歯車として過ごすよりも、権限と責任を背負って過ごしたほうが鍛えられるという俗説に対して、この社長は反論した。
「社会人として未熟な段階で与えられる権限や責任など、たかが知れています。人間として成熟しないうちに権限や責任をもたせると、自分は有能だと勘違する人間を生んでしまうでしょう」。
こうした勘違いは論外だが、ベンチャー企業にはブランド力という強力な武器が用意されていない。ブランド力のない不利な状況でビジネスに従事する経験は、ときとして野良犬のようなたくましさを生み出しうるのだ。
NTT関西という大手企業で然るべきキャリアを積んだうえで、ベンチャー企業で七転八倒した経験を経れば、ひと皮もふた皮もむけた一騎当千の人材に育っていることが期待できる。
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