2022/11/09
就業支援施設の「東京しごとセンター多摩」(東京都立川市)は31日、正社員の就職を支援する事業「就職チャレンジ多摩」を始めた。同日、参加希望者の募集を始めた。企業での実習やスキルアップセミナーの機会を提供する2つのコースを用意し、求職者の正規雇用につなげる。
正社員就職を目指す54歳以下が対象で、2022年度中に約250人の支援を想定している。「企業実習コース」では、採用意欲のある企業での業務体験を踏まえて就職を検討してもらう。「早期マッチングコース」では、面接対策などのセミナーを受講後、支援員が就職活動をサポートする。
同施設は東京都が10月に開設した雇用就業支援拠点に入居。拠点開設に合わせ、正社員就職支援の事業内容を充実させた。(日本経済新聞 11月1日)
ミドル世代のなかでも40~50代の再就職希望者には、介護離職を経てから数年後に再就職をめざす層も含まれている。
この数年来、介護離職者数は毎年10万人発生している。毎年10万人が新たに労働力から非労働力に移行し続けているのだが、労働力人口への影響だけでなく、本人の生活設計にも深刻な影響を及ぼす。介護離職者は40~50歳代が多いが、この年齢で数年間のブランクがあると再就職は厳しく、運よく正規雇用がかなっても大幅な収入源は避けられない。
この課題の救世主として期待され、12年に創設されたのが定期巡回・随時対応型訪問介護看護(以下、定期巡回)である。訪問看護が週3回、1回につき最大3時間と制約されているのに対して、定期巡回には訪問回数に縛りがない。
だから利用すれば家族介護のために離職せずに済み、現にその事例も全国で散見される
定期巡回の事業所数は増加傾向を辿り、21年時点で1088事業所、1事業所あたりの平均利用者数は微増傾向で29・9人。 利用者総数は約3万2500人を数えた。だが、この普及状況について、NTTデータ経営研究所は「経営面の課題等から利用者数・事業所数ともに、まだ十分な数に到達しているとはいえない状況」と指摘する。
定期巡回は市区町村の指定事業なので、事業所を増やすかどうかは市区町村の専管事項である。介護離職の実態も把握したうえで、事業所枠を検討してほしいものだ。
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