Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

アジア企業統治協会、プライム企業の女性活躍へ提言

アジア企業統治協会(ACGA)は19日、東京証券取引所のプライム市場上場企業の女性活躍を推し進めるための提言を発表した。東証の上場審査基準やコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改正・改定案を示した。プライム企業の上場審査基準では2030年までに女性取締役比率30%の達成を義務付けることを求める。
28社のグローバルの機関投資家や年金基金が共同で提言した。上場審査基準については、プライム市場に新規上場する企業の取締役会が同性のみの場合は上場を認めないことも提案した。
企業統治指針についてはプライム市場以外の上場企業にも女性取締役の任命を促す方策を示した。24年の企業統治指針の改定ではプライム市場以外の上場企業には2人以上の女性取締役の登用を、27年の改定ではプライム市場を含めた全上場企業に対して、可能な限り早期に女性取締役比率30%の達成を義務付けることを求めた。(日本経済新聞 10月20日)

女性取締役の起用実態について、三井住友信託銀行が実施したコーポレートガバナンスへの対応状況の実態調査『役員報酬 サーベイ(2022 年度版)』で報告された。
取締役として女性取締役あるいは外国籍取締役を登用している企業は 61.6%。前年より 9.5 ポイント増加した。女性取締役のみ1人以上存在する企業も 54.3%と前年より 10.0 ポイント増加。女性取締役と外国籍取締役の両方が存在している企業も 5.3%と前年より 0.7 ポイント増加。女性取締役の起用は進んでいるが、まだ十分ではない。
経営幹部への女性起用をESG指標に組み込む企業も増えている。
同じ調査で、役員評価を実施している企業のうち、ESG 指標を役員報酬決定に活用している企業は 7.4%(59 社)で、 前年の 6.4%からは 1.0 ポイント増加した。反映されている ESG 指標で最も多いのは「CO2排出量」27 社、以下「従業員エンゲージメント」20 社、「女性管理職比率」19 社。
女性管理職比率が指標に組み込まれている間は未達成と認定されるが、すでに男性か女性かという区分けは現実的でない。性で区分けできる余裕はない。実力があるかどうかである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。