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ハローワークの職員「こちらの会社は、みなさんすぐにお辞めになっていて…」

みなさんはハローワークで仕事を探したことはありますか。ハローワークの求人には、優良企業も多数存在しますが、中には求人票の記載内容と、実際の労働条件が異なる求人が混ざっていたり、職場でハラスメント行為がみられたりする、いわゆる「ブラック企業」といわれるような会社の求人が含まれていることもあるようです。東京在住の奈緒さん(30代)は、ハローワークの職員のアドバイスを聞かず、問題ある企業に遭遇してしまった体験を持つそうです。
(中略)
ハローワークの職業相談・紹介窓口にあらためて話を聞いてみると、担当者の男性から以下のような返答がありました。 「会社に勤める人たちの人間性だったり、社員教育の仕方だったりということについては、こちらには正確な情報が入ってこないので、ブラック企業かどうかを的確に見極めることはできず、ハローワークは法律に違反していない限り求人を受けざるをえません。ただし、特定の会社で次々に人が辞められたら、こちらもちょっとおかしいと思いますので、その場合は面接に行かれることをお止めします」(まいどなニュース 10月9日)

かつてハローワークの相談員に「ブラック企業も求人企業として登録しているのか?」と尋ねたら「求人票の記載要件を満たしていれば受け付ける。ハローワークは人材紹介会社ではないので、評判の悪い企業だとわかっていても求人を拒否できない」と回答された。
ハローワークが求人申し込みを不受理とするケースは、労働基準法と最低賃金法に関する規定について①1年間に2回以上同一条項の違反について是正勧告を受けている場合②
違法な長時間労働を繰り返している企業として公表された場合③対象条項違反により送検され、公表された場合。さらに職業安定法、男女雇用機会均等法及び育児介護休業法に関する規定について、法違反の是正を求める勧告に従わず公表された場合は、求人を「不受理」として却下するが、新卒求人に限られる。
ハローワークは採用コンサルティング機関ではなく情報提供期間なので、求人票の記載に正確性を求める程度しかできないという。
ハローワークの求人案内サイトには下記のように説明されている。
「面接の際、応募した求人とは別の職種で採用したい、と言われました。いきなり言われても困るのですが」「面接に行ったら、休日や就業時間など、求人票に記載された労働条件と異なる説明を受けました」
 こうした指摘に対して「ハローワークからのお願い」として、採用時に「職種」「仕事の内容」「就業時間」「休日」「就業場所」「雇用形態(正社員、契約社員等)」などの条件を順守することを求めている。
 あくまで「お願い」で強制力をともなっていない。罰則規定が必要だろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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