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ZHD、文系もAI人材に 育成塾に700人

Zホールディングス(HD)が文系社員を人工知能(AI)活用の戦力に変えている。グループ横断の文系塾で約700人を育て、AIによる新たな画像検索や顧客分析といった企画が生まれた。日本は数学や科学など「STEM」分野の卒業者数が米国の10分の1と少ない。文系社員がAIを体感して学び、現場での課題解決につなげていく仕組みが競争力を左右する。
「経験ゼロだったAIのハードルが大きく下がり、職場の課題解決に生かしたい」。ZHD傘下のヤフーで働く32歳の大野志穂さんは成長を実感する。競売サイト「ヤフオク!」などではサービス内容、操作手順、トラブルといった多岐にわたる顧客からの問い合わせがあり、その対応の改善業務を担っている。
 大学では日本文学を専攻し、入社後もAIは未知だった。転機となったのが、「Z文系AI塾」への応募だった。(日本経済新聞 7月20日)

たとえ文系でも、そもそもZHDグループで働く社員はITリテラシーがきわめて高く、AI活用への適応力も相当高いのはないか。さわりを学べば、すぐにAI業務に着手できるのではないかと想像するが、実態はどうなのだろうか。
ZHDグループは、AIを中心に各事業を成長させるため、5年間で5000億円を投資してAI活用に携わる国内外のエンジニアについて、5年間で5000名の増員を計画しているという。
昨年7月、グループ企業横断でAI人材を育成するコミュニティ「ZAIアカデミア」を、ZHDの企業内大学「Zアカデミア」内に発足した。「ZAIアカデミア」では、グループ企業であるヤフー、LINE、一休、アスクル、ZOZOグループが初期コア企業として参加し、AI人材が集まり学ぶ場を提供している。
いわば企業内STEM教育である。半年間のプログラムで、AI技術のアルゴリズム、ビジネスへの利活用事例を紹介する座学、ワークショップやグループ人材の交流会などを実施。674人が参加したという。
この取り組みができるのも、AIを教育できる人材がZHDグループ内に揃っているからだ。進化できる企業はどんどん進化していく。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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