経営不振が続くソニーは、『VAIO』ブランドによるパソコン事業からすでに撤退。苦戦しているスマートフォン(スマホ)やテレビについて、今後、事業売却の可能性も取りざたされている。ここ数年続いてきたリストラが、今なお終わっていないことを示している。
2月18日配信記事では従業員を増やした会社を取り上げたが、今度は過去5年で従業員を減らした500社を紹介しよう。連結ベースでの従業員数を直近本決算(2013年10月~2014年10月期)と5年前で比較して、その減少数や減少率を調べた(数字は原則連結ベース)。
M&A(合併・買収)のほか、新卒・中途ともに積極的な新規採用を進めている企業とは対照的で経営が芳しくなかったり、グループ再編の一環で不振事業や本業との関連の薄い部門の整理を進めたりしている会社が上位にランクインした。
従業員減少数がもっとも多かったのはNEC。レノボに売却したパソコン事業のほか、半導体子会社だったNECエレクトロニクス(日立製作所、三菱電機系のルネサステクノロジと合流し、現在はルネサスエレクトロニクス)を非連結化。並行して人員整理なども進めたことで、5年前から4万2000人あまりが減った。グループ全体の従業員数が約3割も減っている。( 東洋経済オンライン 2月23日)
この調査で上位10社にランクされたのは
これらの企業は業績が回復し、拡大に向かったら、ふたたび大量に採用して、そして業績が悪化したら、ふたたび人員削減に着手するのだろう。それをフレキシブルと評価するのか、ダッチロールと見なすのか。
大量の人員削減が前科として扱われるようになれば、社員を決算数字合わせの道具として利用し尽くすような愚行は減っていくだろう。それを促す新しい経済学の登場を待ちたい。
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