都市部の人が地方に移って働く動きが広がっている。国の「地方創生」が追い風となり、収入よりもやりがいを重視する人が増えたことも要因だ。地方に新風を吹き込んでいる。
1月18日、東京ビッグサイトは熱気に包まれていた。地方の自治体が都市住民を受け入れ、地域のために活動してもらう「地域おこし協力隊」と移住・交流のフェア。北海道から九州まで200以上の自治体が説明を実施。昨年の倍近い6800人が訪れた。
協力隊の任期は最長3年。仕事の内容は、自治体によって農作業の支援、町おこしの企画、都市との交流などさまざまだ。
(中略)
自治体側からは「高齢化が進んでおり、地域のリーダーになってほしい」(高知県四万十町)、「地域の住民では難しいことを都会の視野でアドバイスしてほしい」(富山県氷見市)など期待が寄せられた。安倍晋三首相は昨年、地域おこし協力隊の人数を今後3年間で3倍の3000人に増やす考えを示した。(毎日新聞 2月16日
高齢者が生活に便利な都会志向を入る一方で、現役世代の間に、地方への移住志向が高まっているという。三菱総合研究所の調査によると、大都市圏に住む若年層の4~5人に1人が移住の意向も持ち、30~40代の移住希望の理由は「働き方を変えたい」。
都会の若年層は疲れているのだろう。目標管理制度に従ってPDCAサイクルを廻し続けることは、好成績を上げているうちはよいが、まるで永久運動のようで、やがて神経を磨耗してしまう。その危機を未然に防ごうとする本能がはたらいているのかもしれない。
これは人それぞれだが、ビジネスの場を地方に移すことを都落ちと考える例もある。事業所の用地を地方に求めざるをえなかった50代の起業家は、都心から地方に出勤しているが、帰路にはグリーン車を使用している。
「経費がモッタイないですね」と口にしたら、起業家は「都落ちの気分をカバーしているんです。普通車に乗ったら本当に落ち込んじゃいそうで・・・」。精神に抵抗が沸き起こることは起業家とサラリーマンとの違いだ。実際、この精神が起業家の活力に点火しているようで、設立2年目に黒字化して以降、黒字経営を続けている。
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