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パソナグループ、シニア層を地方自治体や企業に紹介

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パソナグループは首都圏の企業を退職するシニア層を、地方活性化を担う人材として地方自治体や企業に紹介する。2~3年など期間が限られた地域おこしプロジェクトを中心に全国の求人を集約し、年間300人の就職あっせんを目指す。大企業などでの経験を生かして地方の活性化事業や企業経営に助言できる人材を送り込む。
3月中に都内に専任担当者を配置した「Mターンセンター」を開き、年間3000人の求職者の相談を受け付ける体制を整える。50代後半~60代の人材の地方就職を支援する。全国約110カ所の拠点から、地方自治体の地域活性化事業に関わる求人情報や地方企業の幹部層の求人情報を集める(日本経済新聞 2月14日)

人手不足が続くとはいえ、50代後半を過ぎれば求人対象にならない現状は人材会社なら承知済みで、この層に対する潜在求人ニーズがどこにあるかも見極めているはずだ。パソナグループは、それが地方企業にあると見極めたのだろう。

この年代になれば子育てと住宅ローンは片づいているから、単身であれ、妻といっしょであれ、比較的身軽に転居しやすいかもしれない。

地方に新天地を求める人たちも、この年齢になるとライフスタイル重視へと傾き、必ずしもフルタイム勤務を望んでいるとは限らない。都内の企業を定年退職して地方企業に就職した62歳の“元モーレツ企業戦士”は、部長職として第一線で指揮をとっている。傍目には、多忙を極める日々はさぞかし充実しているに違いないと映るが、そうではないという。

「週に3日ぐらい出勤して、幹部の補佐のような仕事をしたいんですが、なかなかそうはいきません。これまでとは違う人生を送りたくて地方に移住しましたが、一向に仕事から卒業できませんね」。

求人側の企業が求めるのは、モーレツに働いて業績を伸ばしてくれる人材だ。プロパー社員を圧倒するようなモーレツな働きに期待をかけている。そのホンネを求人情報にも明記したほうがよいだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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