政府が景気回復の起点として重視する今年の春闘に関し、ベアや手当を含たベースで1%の賃上げ実現を目安としていることがわかった。デフレ脱却に向け、物価上昇に耐えられる賃上げ幅として、1%は不可欠とのスタンスだ。
経団連も歩調を合わせ、企業に対し異例の働きかけをしている。だが、大企業でも円安・原油安による収益状況はまちまち。中小企業はさらに厳しく、各種調査でベアが1%に達するとの見方はほとんどない。
「連合の要求はベアで2%。経営者側は昨年の例からも、その半分の実現を意識せざるを得ないはず」──。今年の春闘に向けて、政府・日銀関係者は昨年にも増して強い関心を示している。
年が明けても消費はさえない動きが続いている。政府は、物価が原油安で落ち着いている間に、所得を底上げして消費を回復させ、アベノミクスの掲げる経済の好循環につなげたいと意気込む。(ロイター 2月13日)
今春の賃金改定では、月当たりの給与が全産業平均よりも10%低いと推計される介護業界の給与改定だ。4月の介護報酬改定で介護職を対象に、月1万2000円の処遇改善措置が講じられるのだ。
「他の業界と比べて月10万円も低いなかで、1万2000円を上げたところで人手不足問題は解決しません」(福祉経営コンサルタント)という見方もある一方で、期待を寄せる声も聞かれる。
「月給15万円以下で働いている介護職はたくさんいます。1万2000円は大きいですよ」(自治体関係者)。
介護ニーズは2040年ごろまで拡大する見通しなのだから、その担い手確保に向けて安倍晋三首相には、介護業界に対しても賃上げを呼びかけてほしいものだ。
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