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ゼネコン大手各社、初任給を5000円引き上げ

ゼネコン大手各社が、4月に入社した新入社員(総合職)の初任給を相次いで5000円引き上げることが4日、明らかになった。清水建設の5000円引き上げは4年ぶり、鹿島建設は3年ぶりとなる。大林組や竹中工務店も同額を上乗せする。  建設業界では今後、コロナ禍で遅れていた事業再開などが見込まれ、人手確保に力を入れている。他業界との人材争奪戦は激しさを増しており、円滑な確保につなげる狙いがある。 ‹br›(読売新聞 4月4日)

建設業の就労環境が改善されつつある。現在は36協定で定める時間外労働の上限規制の適用が猶予されているが、2024年4月1日以降、上限規制が適用される。原則として月45時間・年360時間 となり、臨時的な特別の事情がなければ変更できない。 臨時的な特別の事情 (特別条項)があっても、以下の上限を超える時間外 労働・休日労働はできなくなる。 ①1年間の時間外労働は720時間以内 ②1か月の時間外労働と休日労働の合計は100時間未満 ③時間外労働と休日労働の合計について「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」がすべて1か月当たり80時間以内 ④時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6か月まで。  さらに23年年4月1日から 中小企業に対する月60時間超の時間外労働の割増賃金率が引き上げられる。現行は大企業が50%、中小企業が25%だが、大企業・中小企業とも50%に移行する。  中小建設会社の過酷な就労環境は、元請けによる優越的地位の乱用にも大きく影響されている。この実態を是正するため、東京都労働局は次のメッセージを表明している。 <著しく短い工期を設定するなどの行為(いわゆる「下請たたき」)は、「建設業法」で禁止されています。 労働基準監督署では、下請たたきに関する相談に対応し、国土交通省への取次ぎも行っています>  ただ、仕事が欲しい中小建設会社が、下請けたたきに異議を申し立てることは容易でない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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