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21年の正社員最多3565万人 企業、女性の登用活発に

正社員として働く人が2021年に3565万人と過去最多になった。新型コロナウイルス禍でも人口減を背景とする構造的な人手不足が続き、企業が安定した労働力の確保に動いた。非正規職を正規職に置き換える流れが生まれている。コロナ後の成長に向けては、人材の質を高める再教育や柔軟な働き方を認める環境整備が課題になる。
総務省の労働力調査によると、21年は就業者のうち「正規の職員・従業員」(役員や自営業者などを除く)は3565万人と前の年に比べて26万人増え、比較できる13年以降で最多だった。非正規は26万人減り、2064万人となった。正規は7年連続増加、非正規は2年連続の減少だった。
正社員の増加が目立つのは女性だ。男性は2343万人で横ばいだが、女性は1222万人と過去最多を更新した。業種別では人手不足な深刻な医療・福祉が10万人増と際立つ。製造業や情報通信業、金融業・保険業など幅広く女性社員を増やす動きがみられる。
(日本経済新聞 3月23日)

この記事に「人手不足な深刻な医療・福祉が10万人増と際立つ」とあるが、この業種で求人数が増えそうな職種が管理栄養士である。
 従来、病院での管理栄養士の業務は事の提供に重点が置かれ、診療報酬での評価項目も少なかった。しかし入院患者の高齢化にともない、複数の疾患を持つ患者が増え、栄養管理・栄養指導のニーズが拡大する。2016年度診療報酬改定で外来栄養食事指導料・入院栄養食事指導料・在宅患者訪問栄養食事量の対象疾患が拡大され、がん、低栄養、嚥下障害が加わった。
 22年度診療報酬改定では、管理栄養士の病棟配置を評価する項目が増え、管理栄養士の職場が厨房から病棟へと移行するだけでなく、人員増も求められてくる。
現状で管理栄養士が最も多く働く業種は給食会社だが、病院が管理栄養士を募集すると多くの応募があるという。病院関係者は「管理栄養士の専門性を活かしたいという動機で応募してくる」と話す。
医師、看護師、薬剤師などともに医療専門職として、管理栄養士はチーム医療に欠かせない職種になった。この4月以降、動きの多い職種になっていく。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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