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全日空、復職制度導入へ 退職5年以内なら正社員

全日本空輸が、退職後5年以内であれば正社員として復職できる「カムバック制度」の導入を検討していることが18日分かった。新型コロナ禍による旅客減少で賃金を抑えているため、30~40代の主力社員の流出が続いている。優秀な人材が復帰しやすい仕組みを整え、コロナ後の需要回復に備える。労働組合と協議し、2022年度の開始を目指す。
 カムバック制度は大企業を中心に導入の動きがあるが、育児や介護を理由に辞めた社員の復帰を念頭に置く場合が多い。全日空は既に産休・育休制度を充実させており、カムバック制度では、離職期間中に他社で身に付けた専門スキルなどを重視する方針だ。

(共同通信 12月18日)

 一般論だが、中途採用には“当たりはずれ”がある。
たとえ同業他社で実績を築いた社員でも、自社の社風に肌が合わないとか、仕事の段取りのつけ方が違うとか、何かにズレがあると組織にかみ合わなくなってしまう。やがて居づらくなってしまいかねない。
逆に異業種・異職種からの転職者でも、ポータブルスキルの持ち主なら短期間で頭角を現し、期待以上の成果を出し続ける。
その点、元社員の復職なら大化けは期待できなくとも、確実にアテにできる。コロナ禍で大量の希望退職者が発生したが、復職の機会があるのなら望む元社員は少なくないのではないのか。
転職先が決まっても、新天地で上手く適応できるかどうかは水物である。住宅ローンなどを背負っている身なら、慣れた職場のほうがリスクは少ない。
会社にとっても、本人にとっても復職制度は使い勝手がよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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