電通は8日、早期退職優遇制度を実施すると発表した。3月31日時点で勤続10年以上、満50歳以上の社員が対象で、募集人員は300人。募集期間は8日から2月5日まで。従業員の転身を後押しするとともに、人件費の抑制を狙う。退職に応じる社員には通常の退職金に加え、特別優遇加算金も支払う。
同社が早期退職優遇制度を募集するのは今回が7回目で、2013年以来2年ぶり。前回の早期退職者募集では、100人の枠に62人の応募があったという。募集に応じた社員は3月末に退職する。業績への影響については「応募者などが確定した段階で知らせる」としている。(日本経済新聞 1月8日)
多くの企業で50代社員はもっともコストパフォーマンスの低い年代になってしまったが、電通の早期退職の対象年齢が50歳以上と発表されたのも、人件費の抑制が狙いなので、やはり50代が重荷なのだろう。
業績悪化を待たずに年齢構成を調整して、低コスト体質に転換しておく。加えて相応の退職金を支払えるうちに早期退職を募集すれば、キャリアチェンジを志向する50代の社員は続々と手を挙げる。
こうした目算で、電通の早期退職実施に触発されて50代の削減に入る企業が続くかもしれない。ただ、この年代は介護離職問題に直面する年代でもある。収益性と社会性のバランスを熟慮するのが本義だが、そうした企業は少数派だろう。
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